戸隠も雪解けが進み、150センチメートル近く積もった雪は、土や緑に変わりつつあります。春は山菜、その後本格的な夏山シーズン、秋のきのこ狩り….と山の楽しみが目白押しの時期はすぐそこまでやってきました。
そこで気になるのが、ツキノワグマのこと。前年はツキノワグマとの遭遇による、悲しい出来事が全国的にありました。昨日の新聞記事には、上高地でのクマの目撃情報が過去最多だったとありました。悲しい出来事が起こらないようにするために、山を楽しんだり、ツキノワグマの生息域近くで生活する私たちにとって、ツキノワグマについて理解しようと努力することは必須だと思います。
先日、環境省主催の「山岳地域におけるツキノワグマ対策レクチャー」でツキノワグマについて学習する機会がありました。ツキノワグマについてレクチャーで学んだこと、自分で調べたこと、私がツキノワグマについて思こと、考えることを書こうと思います。
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ツキノワグマの生態について
・ツキノワグマは犬の7倍の嗅覚があり、3キロメートル離れた鹿の死骸の匂いもわかる。人間とクマにとっての食べ物との匂いは嗅ぎ分けられるが、時として山での食べ物不足や力の弱い熊は、命懸けで人の食べ物を狙う。
・ツキノワグマは縄張りがないため、いろいろな個体が人の生活圏の食べ物を狙っている。
・ツキノワグマは学習能力が高いため、一度人の生活圏で食べものを得られると、繰り返しやってっくる。また、好奇心が旺盛。
・ツキノワグマは人のし尿も食べる。
・ツキノワグマは臆病な動物、人との遭遇や大きな音でパニックになる。
・ツキノワグマは高山のガンコウランやコケモモなどの木の実を食べるために、森林限界を超える。
ツキノワグマの生態から遭遇しないためにできること
・山はクマの生活圏だと認識する。
・山に入っているときは五感をフルに使い、獣臭など動物の情報を得る努力をする(クマより先に気づくようにする)
・高い音の出る熊鈴を使用する。
・ツキノワグマに会っても、慌てず騒がず、クマを刺激しないように後退りする。
・クマスプレーを携帯する(使用方法も確認しておく)
・山の中に自分が入った痕跡をできるだけ残さない(可能な限りし尿は持ち帰る・ゴミは全て持ち帰る)
・食べ物は匂いが外に出ないように工夫する。特に、匂いの強い食べ物はジッパー付きの入れ物などに入れる。
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他にもいろいろ考えられることはあるかな、と思います。
私はクマには3回出会ったことがあります。幸いクマが逃げたため、大事には至りませんでした。
「明日は我が身」と思い、今一度クマだけでなく、山でのリスクについていろいろ考えないといけないと思いました。


有峰林道で出会った、ツキノワグマ